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オンライン家庭教師です。

ウクライナ通信②

今日もまた、とんでもない事が起きました。

ロシア軍が、ウクライナのザポーリージャ原発を爆撃しました。

幸い、原発施設に大きな被害はありませんでした。

放射線レベルにも、異常はありません。

しかし、もし原発施設を直撃し、メルトダウンを起こせば、福島第一原発の数倍の被害が出ました。

福島第一原発津波が原因ですが、ザポーリージャ原発は明らかに人災です。

プーチンという、一人の人物による人災です。

更にこの日もまた、集合住宅と学校が爆破されました。

子供を含めた、34人の死者が出ています。

こうしたロシアの戦争行為を冷静に見つめているウクライナ人がいます。

パルホメンコ ボグダン

35歳 独身 男性

1986年、チェルノブイリ原発事故の年に、キエフで生まれます。

放射能から逃れるために、母親と神戸に移住します。

小学生の時に、阪神淡路大震災に遭います。

大阪に移住して、中学を卒業します。

ウクライナに帰国して、

高校、大学、大学院をウクライナで卒業します。

その後、政治関係分析アナリストとして、日本企業に就職します。

転職後は、モスクワで、起業に関わる仕事をします。

そんなウクライナ、ロシア、日本を肌感覚で知るボグダンさんが、キエフから日本に向けて、毎日情報を発信しています。

ウクライナ人、ロシア人、日本人のメンタリティを知るボグダンさんの話に引き付けられたので、ご紹介します。

ボグダンさんは、ウクライナ人が最も大事にしているメンタリティは、自由だと言います。

この自由は、一朝一夕で手に入るものではありません。

ウクライナ人が、1200年の苦難の歴史を乗り越えて、手にしたものです。

シルクロードの通り道であるウクライナは、

様々な民族の支配を受けながら建国し、

やっと、この自由を手に入れました。

ソ連崩壊後の1991年です。

この自由を守るために、今、ウクライナ人は、ロシアと戦っています。

支配される歴史が長ければ長いほど、自由を願う思いは強いのです。

ウクライナ人が、何故、命をかけてロシアに立ち向かえるのかと言うと、この自由への渇望なのです。

ウクライナの人々は、自由を失えば、死んだも同然たと感じるのです。

国土が豊かで、世界一の穀倉地帯であり、地下資源に恵まれたウクライナは、生きることにさほど困難はありません。

ただただ、自由を謳歌したいのです。

この自由を奪われることは、許しがたいのです。

ボグダンさんは、もう一つのウクライナ人のメンタリティを、恐怖を乗り越える精神力としています。

ウクライナは、建国30年の歴史の中で、2度の革命を経験しました。

オレンジ革命

ユーロ-マイダン革命です。

二度とも、親ロシア派勢力を市民が追い出した革命です。

一般市民が丸腰で国家権力に立ち向かい、政権委譲を成し遂げました。

この経験が、恐怖を乗り越えて、敵に立ち向かう、ウクライナ人のメンタリティをつくりました。

国のため、自由のために命を投げ出す。

これは、ウクライナ人にとって、口先や絵空事ではありません。

こうして、自由を守ってきたと言う自負から来るものです。

ウクライナ人にとって、自分の命と国の自由を天秤にかけると、国の自由の方が、重いのかも知れません。

最後に、ボグダンさんは、こう呼び掛けました。

ロシア市民も、恐怖を乗り越えて、立ち上がって欲しい。

恐怖が支配するプーチンのロシアで、声を挙げたり、デモをすることは命がけです。

でも、プーチンを倒せるのは、経済制裁でも、欧米の軍事力でもありません。

ロシア市民の命がけの抵抗だけなのです。

私は、ロシア市民に少しの怒りも、ワダカマリも感じません。

同じ恐怖を知る先輩として、立ち上がる勇気を届けたい。

ウクライナとロシアは仲の良い、兄弟なのだから。