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オンライン家庭教師です。

イラン核合意

イランと国連安保理6カ国(アメリカ イギリス

 フランス ロシア 

 中国 ドイツ)

の核合意交渉が難航している。

案の定、一筋ならではいかない。

複雑怪奇

魑魅魍魎

各国の利害が入り交じる。

イスラエルだって、

サウジアラビアだって、

黙っていない。

イラン核合意とは、何か?

イランが進める核開発に大きな驚異を感じた各国が、国連決議により、2006年にイランに経済制裁を課したのが始まりだ。

2013年、イランで穏健派のローハニ大統領が就任すると、アメリカのオバマ大統領との交渉が始まった。

交渉内容

イラン側は、

ウラン濃縮や遠心分離機を削減する。

アメリカ側は、

段階的に経済制裁を解除する。

2015年

核合意が成立する。

イランは徐々に経済制裁が解除され、経済回復の兆しが見え始めた。

折りも折

あの男が現れた。

ドナルド トランプ

アメリカ大統領。

全てが水の泡に帰した。

オバマは、イランを

普通の国と見なし、合意を成し遂げた。

ロシアも中国も賛成した。夢の合意と言える。

しかし、トランプは、イランを

敵性国家

と見なし、核合意から一方的に離脱した。

しかし、これは破棄ではない、離脱である。

つまり、アメリカ以外の5か国とは、合意が継続している。

2021年、トランプが過去の人となった。バイデン大統領の登場である。

オバマ大統領の遺産をつぶしたい、トランプ大統領

トランプ大統領の遺産を潰したい、バイデン大統領。

と言うわけでもないだろうが、バイデン大統領はアメリカのイラン核合意への復帰交渉に乗り出したのである。

これがイラン核合意再開の経過だが

イラン側は、

先に経済制裁の解除を訴え、

アメリカ側は、

核開発を停止することが先だと訴える。

鶏と卵

子供の喧嘩に見える。

トランプの亡霊に悩まされることになるのか?

残念な事に、イランでは、穏健なローハニ大統領に代わり、強硬派の

ラィースィー大統領が就任した。これにより、更により難航が予想される。

イスラエルサウジアラビアも、この核合意再開には神経を尖らせている。もし、纏まるようなことがあれば、何かしらの妨害行為に出ることは必死であろう。

では、何故イランは国連から強い経済制裁を受けながら、核開発を諦められないのか?

この疑問について考えてみよう。

答えはただ一つ。

脈々と受け繋がれる

ペルシャ民族の

プライドだ。

アメリカは、今では世界の超大国と言われているが、その歴史は、

1776年の独立から数えて、250年。

たった250年なのだ。

それに比べて、イランは昔、ペルシャと呼ばれていた。あのペルシャ帝国の末裔なのだ。

紀元前550年、キュロス2世がアケメネス朝ペルシャを建国した。今のイランの起源である。

このキュロス2世が新バビロニアを滅ぼし、囚われのユダヤ人を解放したのは有名な話だ。

第3代国王、ダレイオス1世は、都市国家ギリシャの征服を試みた。しかし、ギリシャの強固な抵抗に会い、三度の戦いに破れることになる。古代最大の戦争と言われるペルシャ戦争だ。

ギリシャに破れた後、勢力を盛り返したペルシャは、あのアレキサンダー大王と、正面衝突する。ダレイオス3世の時である。

イッソスの戦いと言われる。大敗して、アケメネス朝ペルシャ帝国は滅ぶことになる。

3世紀、西のローマ帝国と覇を競ったのが、東のササン朝ペルシャ帝国である。

この帝国も、イラン人の国なのだ。

イラン人は、だてに、2500年の栄光の歴史を持ってるわけではない。

歴史が、イランの栄光と、優秀さを証明していると考えるイラン人は、少なくないのだ。

今は、ひと休みしているだけ、必ずまた栄光の時代がやって来る。

たった250年のアメリカがいくら偉そうにしても、イラン民族の敵ではない。

イランの人々は、アメリカなんぞ、ヨチヨチ歩きの赤ん坊が、威張っている。

位に思っているのかもしれない。

核合意を結ばす、腹が減っても、戦をするのか?

核合意を結んで長いものには、巻かれるのか?

イランの人々の正念場である。