ウクライナ通信①
ロシア軍がウクライナに侵入して、一週間が経ちました。
キエフ、ハリコフ等のウクライナの主要都市は、激しい爆撃に合っています。
テレビ塔が爆破され、警察署などの公共施設も、標的になっています。
住宅街や学校にも、ミサイルが打ち込まれました。
爆撃を恐れ、ウクライナ国外に避難した難民は、百万人を越えました。
赤ちゃんを抱え、避難する家族の姿は、見るに忍びないものがあります。
ウクライナ国民は、平穏な日々と、明るい未来を一瞬でに奪われました。
3月4日現在、2000人のウクライ市民が犠牲になりました。
それに数倍する、ウクライナ兵士の死亡が見込まれます。
それでも、ウクライナの人々は、戦いを止めません。
原発施設では、人間の盾をつくって、丸腰でロシア兵の前に立ち塞がりました。
あるウクライナの女性は、命がけでロシア兵にひまわりの種を渡しました。
戦いの様子が配信され、ロシア非難とウクライナ支援の輪が、世界中に広がっています。
主要なロシア銀行は、Swiftから排除されました。
ロシア選手団は、北京パラリンピックから追放されました。
サッカーロシア代表チームも、ワールドカップ欧州プレーオフの出場権を剥奪されました。
一方、世界各国はウクライナに、多くの武器を供与しています。
世界各国から、経済支援も相次いでいます。
日本政府も、百億円近い経済支援をしました。
民間の寄付金も20億円を越えました。
さらに、ウクライナ難民を支援する日本企業も現れました。
ドンキホーテは、
100人以上のウクライナ難民を日本で受け入れます。
住むところを確保し、日用品や食べる物を提供します。
世界地図は、白い世界と黒い世界に二分された感があります。
正義と悪が鮮明になりました。
しかし、なかなか本当の意味での、正義の味方は現れません。
ウクライナ支援に名乗りを挙げた、70人の志願兵は、日本政府から強く止められました。
イラクのフセイン大統領が、クウェートに侵攻した時は、多国籍軍が一瞬で、イラク軍をクウェートから追い出しました。
勿論、クウェートは、NATO加盟国だったわけではありません。
それなのにあの時、欧米諸国は多国籍軍を編成し、フセイン大統領をクウェートから追い出しました。
ロシアが核兵器を所有しているという、厳然たる事実があるからです。
多国籍軍を編成して、ウクライナを支援すれば、ロシア兵を追い出すことは、難しくないでしょう。
しかし、核戦争を視野に入れた、第三次世界大戦のリスクが生まれます。
ロシアが持つ長距離核弾頭ミサイルは、ヨーロッパは勿論、アメリカにも
届くのです。
今の世界は、核の抑止力が働いて、平和が保たれています。
世界中から避難されても、北朝鮮の金正恩が、長距離核ミサイルの開発を続けるのはこのためです。
今、プーチン大統領は、かなり追い込まれています。
固唾をの無用な緊張した日々が続きます。
日本でも、ビックリするような発言が飛び出しました。
核シェアリング
を考える時だと発言したのです。
核シェアリングとは、
アメリカの核を、日本に持ち込んで、核の抑止力による、国防体制を作ろうと言うのです。
ウクライナは、国内にあった核兵器を廃棄したから、ロシアの侵攻を許した。
ウクライナが、ソ連時代の核兵器を保持していれば、プーチン大統領もやすやすと攻め込めなかったはずだ。
日本も、今こそアメリカとの核シェアリングを、議論すべきだと言うのです。
これは明らかに、日本の国是である、非核三原則に違反します。
非核三原則とは、核を
持たない
つくらない
持ち込まない
佐藤栄作総理大臣の時に、決められました。
50年を経た今、ウクライナの現状を目の当たりにして、この非核三原則の見直しを、真剣に議論しようと言うのです。