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オンライン家庭教師です。

二人旅①

牛久発、7時点51分。

四泊五日の凸凹旅が始まりました。

天気は、最高。日本晴れです。

常磐線は通勤客で、多少混雑していましたが、別れて席を見つけることが出来て、さい先良い船出となりました。

N氏から茨城新聞を借りて読むと、先日の龍ヶ崎市長選に勝利した

萩原勇さん

の特集記事が出ていました。

若干43歳。

三歳の愛娘を抱き上げる姿が印象的です。

度重なる不祥事に揺れる、龍ヶ崎市を託された男の旅立ちは、私達のような気楽な旅では無いようです。

頑張れ、新市長!

気がつくと、電車は日暮里に滑り込みました。乗り換えて、久しぶりの山手線です。

(田端、巣鴨

    高田馬場

学生の頃の記憶が甦ります。

コロナの間に、山手線の車内は大きく様変わりしています。

紙による広告は半減し、窓の上に大きなスクリーンが設置されています。ひっきりなしにCMが流れ、スタイリッシュなCMが、目を楽しませてくれます。

淡いグリーンのつり革も、車内のイメージにぴったりです。

新宿に着くと、バスの出発まで、まだ一時間近くあります。スイカにお金をチャージして、草津行きのターミナルに向かいました。

目の前に、

バスタの文字が書かれた巨大ビルが見えます。

(ここだ。ここだ。)

ええと、草津行きは

C7 。

このビルの四階のようです。

同じターミナルには、善光寺行きも見られます。所要時間は約四時間。草津とほぼ同じです。

次回は、善光寺もありかな?そんな気分です。

いつの間にか、人が集まってきます。あっという間に満席近くなりました。

2Aと2Bが我らの座席です。

二人の話は、Nさんの義父の兵隊物語に及びます。

二十代前半で、二二六事件に参加したそうです。麻布第二連隊の兵士として従軍したと聞いた時は、リアルな話に膝を乗り出しました。

その後、N氏の父君は満州国ソ連の国境に配属され、戦車の整備を担当したそうです。

現地の冬は厳しく、国境の川が凍ると、凍った川の上で、ロシア兵と日本兵が仲良く酒を酌み交わしたと言うのです。

現地の兵隊には、取り立てて憎しみ合う理由も無く、人間同士の交流があったのです。

そして最後は、ビルマに送られます。

有名な

インパール作戦

に組み込まれたのです。

N氏の父君は、トラック部隊として資材を運搬していました。

そこで、壮絶な部隊長の勇姿を目撃することになります。

銃弾を受けた顔の傷からなんと、蛆がわいていたのだそうです。

そんな状態で、部隊長は動じることなく、毅然と指揮を執っていたと言うのです。

本物の日本軍人の肝の座り方は違います。改めて感じ入ったというのです。

N氏の父君は、98年の天寿を全うされました。

バスは、予定より20分ほど早く、1時40分に草津駅ターミナルに着きました。冴え冴えとした空気は、さすが、雪国を思わせます。

今日の晴天で溶け始めた雪が、屋根から攻撃してきます。

民宿美山

までの道のりがまた、壮絶でした。溶け始めた道路の雪は、つるつる滑ります。その上、曲がりくねった道が続きます。道不安ないな私達の不安も募ります。

そこで、スマホが大いに役立ちました。道案内してくれました。

持つべきは、機械に明るいN氏です。

早速、荷物を整理して、湯畑に向かいます。宿のおじさんが教えてくれた近道をいくことにしましたが、中々のアドベンチャーロードです。

やっとたどり着いた湯畑の賑わいは、まだまだ、寂しい限りです。

週中と言うこともあり、人影はほんとに、まばらです。

湯煙だけが元気で、周りのお店は、

(か ん さ ん)

としています。

遅い昼食を済ませて、

白旗の湯

に向かいます。

湯の特徴は、

少し熱い湯と、

かなり熱い湯

コントラスト。

まず、少し熱い方の湯に入ります。

足の爪先からゆっくりと突っ込んで、そろりと座ります。

じっと。

じっと。

我満です。

N氏は熱い湯は大の苦手。

(ダメ、ダメ。

とても、無理。)

と、足だけ突っ込んで、飛び出したところで、

温泉名人からのご指導が入ります。

(我慢して、肩まで入って、すぐに上がるんだ。)

(二三分休んで、また入ってみろ!楽だから。)

恐る恐る。足からはいるN氏。何とか。肩まで。

すぐに飛び出します。

N氏の再チャレンジ。

(いける。いける。)

(さっきと、違う。)

(動かないで。動かないで。)

私は、かなり熱い湯にチャレンジです。

(おっと、いけるも。

  肩まで。肩まで。)

(いけそうかい。)

外野から声が飛びます。

(大丈夫です。大丈夫。      

10分頑張ります。)

(おい、おい。無理しち

  ゃ、ためだよ。出て出て。長くて3分。)

(最初から無理したら、危ないよ。こないだも、救急車で運ばれた人がいたよ。)

性格がおっちょこちょい。バカ丸出しです。

熱い湯の入浴チェックをどうぞ。

両手を空中に突き出す。

両手から熱が逃げ、少し、楽に入ることができます。

頭からお湯を被ってから入ります。

頭も体の一部ですから、頭だけが乾いていると、バランスを崩して、具合が悪くなることがあります。意外と気づかないポイントのようです。

暗くなる前に、部屋に戻って来ました。これは、今回の旅の絶対条件です。

なぜなら、あの凍った真っ暗な坂道を登リ降りすると思うと、ゾッとします。何が起こっても、おかしくありません。

一日目が暮れていきました。

N氏は、隣で高いびきです。

お休みなさい!