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オンライン家庭教師です。

二人旅②

二日目は、七時半の朝食から始まります。

海苔とハムサラダ

鮭は大ぶりで、甘塩といった感じです。

とろろもついていましたが、少し苦手です。

今日のお目当ては、

西の河原温泉です。

西の河原温泉とは、賽の河原のイメージから名づけられた草津温泉の名湯です。

草津のメインストリートを抜けて、

長い川の周りには、お地蔵様や枯れ枝など、荒涼とした風景が続きます。

この川が、三途の川の見立てなのでしょう。三途の川を渡る手前に、西の河原(賽の河原)があります。

西の河原では、幼い子供が、石積みをしています。

そして、この子は親より先に死んでしまった子供なのです。

手の皮が破れ、血が吹き出しても、子供は石積をやめまることが出来ません。一心不乱に石を積むのです。

そこに、現れるのが大鬼です。大鬼は、子供が、積んだ石の塔を一撃で壊してしまいます。

なぜこんな非道が?

実は仏教では、親より先に死んでしまった子供には、五逆罪という、償い難い大罪があると言うのです。

三途の川を渡れない子供は積んでは壊され、積んでは壊され、西の河原で暮らすのです。

それでは、三途の川を渡った人達はどうなるのでしょうか?

仏教では、

六道輪廻

の世界に行かなければならなりません。

いわゆる

地獄 飢餓 畜生

修羅 人間 天上

の間をぐるぐる、ぐるぐる回り続けるのです。

人は、死後の世界で、天上に生まれ変われたとしても、六道からは抜け出せません。

しかし、死後の世界に、この六道輪廻とは別に、極楽浄土の世界があると、説いたのが法然であり、親鸞です。

六道輪廻の世界を逃れ、極楽浄土に往生するには、

衆生を済度しなければならない。)

と説きます。

 衆生とは、

  悩み苦しむ人。

 済度するとは、

  救い導くこと。  

衆生を済度するためにはひたすら

南無阿弥陀仏

を唱えます。

極楽往生を信じて、

南無阿弥陀仏

100回

1000回

10000回

唱えます。

自力を捨て、

他力にすがります。

こうして、人は現世で

極楽浄土

に行けると、親鸞は教えます。

さて、やっと

西の河原に到着しました。

9時30分です。

西の河原温泉の売りは、巨大な湯船です。

どのくらいあるかというと、でかいです。

脱衣場から出て、湯船に片足を突っ込んで、そろり、そろりと進んでいきます。

お湯の温度が段々高くなっていきます。真ん中過ぎた辺りから、自然、歩みが辿々しくなります。じっと熱さを我慢しながら、一歩一歩、進みます。

三分の二辺りにある、休息台にたどり着きます。その脇にドスンと座り込んでグッと我慢を決め込みます。

3分、5分。7分。

全身がじわじわと熱を帯びてきます。

少し、頭がボーッとしてきたところで、ガバッと

休息台飛び乗ります。

冷たい、

冷たい、

一陣の突風が裸の全身を吹き抜けます。

このギャップ、

このギャップ

が堪りません。

雪もチラホラしています。

ドタリと休息台に仰向けに、倒れ混みます。

(潜望鏡にご注意!?)

N氏から、ちゃちゃが入ります。

(マスト充電、不十分につき、心配ご無用。)

報告終り。

流れる雲がやたらと速いようです。冷たい風が吹いて、粉雪が舞うかなと思いきや、かっと日が射して、穏やかな感じです。天気の神様は気まぐれのようです。

西の河原温泉を出て、

片岡鶴太郎のギャラリーの隣のCoffeehouseで、日向ぼっこと、しゃれ込みました。

通りが見える窓際の席は、大きな窓から射し込む日差しが強すぎて、眩しいくらいです。

この暖かさに誘われたN氏は、珠玉のおやすみタイムのようです。

次のお目当ては、地蔵の湯です。

白濁の湯と聞いてたので、普通の感じの湯に少し、がっかりしました。

お湯の熱さは丁度良く、高い天井の室内は、清潔感があります。

着替え始めて、ふと振り返りました。

(なんだ。なんだ。これは?)

お湯が、湯殿の右側から白濁し始めたのです。

みるみる白い軍団が湯船を侵食していきます。

入浴中の叔父さんが教えてくれました。

(掃除してるんだよ。お湯の通り道を定期的に掃除してるんだ。管から剥がされたお湯の元が、流れ込んでるんだ。)

そうなんだよ。

これこそが、地蔵の湯なのです。

今日の最後は白旗の湯です。

頑固そうなおじさんが始めました。頭からお湯を被ります。

被ります。

47度のお湯です。

10回

20回

30回

まだ、止めません。

40回

50回

(おじさん。何回被るの。)

(53回かな。年の数だ。俺の健康法だな。絶好調だよ。)

温泉巡りの旅も、二日目です。

新しい発見もあり、順調なようです。