対人関係
山に居る仙人や修験者でもなければ、一人で生きていくことは出来ない。人間と生まれたからには、人と人との交りの中で生きていく。人間は人の間と書くしね。
そこで、対人関係が生まれてくる。しかし、これこそが人生最大の悩みであり、不可解きわまりない代物なのだ。
親との関係。
兄弟関係。
親族との関係。
嫁さんとの距離感。
息子や娘との距離感。
友人との関係。
職場での同僚、上司、部下との関係。
こうなってくると、複雑怪奇、魑魅魍魎、絶体絶命な気分になってくる。
好き嫌いもあるだろう。
合う、合わないだって勿論あるさ。
損得が絡むことだって。
立場の違いも作用するしね。
さてさて、どんな風にしたら、この対人関係地獄を渡っていくことが出来るのだろう?
すいすいとはいかなくても、
ぼちぼち位には。
いや、大過無くで十分だろう。
自分から対人関係に入っていく勇気。パワーがいるよ。覚悟だって。だって、人と関われば軋轢か生まれるし、ストレスが貯まるからね。
いつも、普通の自分で居る覚悟が大事だね。目先のことで右往左往しない。
人の視線を気にしすぎると、自分が自分じゃなくなるからね。
One of them
みんなの中で、普通の自分でいる覚悟。
自分を特別だと思わずにいる覚悟。
回りから、良い子だと思われなくても、平気なこと。
宮沢賢治の作品から考えてみようか。
注文の多い料理店に、二人の紳士が出てくるね。二人は、お店の注文を全部自分達に都合良く考えるんだ。
(ネクタイピンもカフスボタンも、財布も眼鏡も全部はずして、このかごに入れて下さい。)
と、店のドアに書いてあると、
(料理に電気を使うんだ。余程、偉い人が来る店なんだろう。貴族と近づきになれるかも知れないぞ。)
こんな風にして、どんどん先に進んでいくんだ。
結局、二人の紳士は、食べられそうになり、恐怖で顔が紙のように、クシャクシャになってしまうんだ。全て自分に都合よく考えてると、こうなるね。
自分の事を one of themじゃなくて、
Special One
だと思ってるんだよ。specialじゃないと、我慢できないんだ。
宮沢賢治にはこんな有名な詩もあるんだ。
雨にも負けず、
風に負けず、
みんなに木偶の坊と呼ばれ、
誉められもせず、
苦にもされず、
そういうものに
私はなりたい。
自分を勘定に入れずとも、言ってるんだ。
格好いいね。自己犠牲ってやつかな。
でも、これって、
No one of them
じゃないかな?
自分がなくて、今の時代、こんな風には生きられないよ。溶けて無くなってしまいそうだよ。
やっぱり
私は私。
ここにいるんだって
しっかり言わなきゃね。